取材
取材
ボランティア二日目に、とある取材を受けました。その中の質問に『被災者の皆さんに何か伝えたいことはありますか?』というものがあったのですが、正直私には言葉がありませんでした。
心の奥の方では、ニコニコしていていただきたい。心穏やかであってほしい。そう願っています。しかし、それを被災者すべての方にその言葉で伝えるのが適切だとは感じなかったからなのです。
初日に縁をいただいた方が、マスコミ取材のことや家のこと、今後のことに対して思っていることなどを話してくださったのですが、その方には決してニコニコしてくださいなどと言えないのです。言うべきではないと思うのです。
そんな方には、何かをしてあげるなどということはできなくて、それでも穏やかな気分でそばに寄り添うことが必要だと思うのです。
共感(過去の経験・未来の想像)はしても同調はしないということです。同調することは、その世界をより深く意識することとなり、よりしんどくなっていきます。未熟な整体師(以前の私)は患者さんに同調して自分が腰痛になったりなど症状が伝染します。
体も、心も、子供も、畑も、人も、コントロールできるものでもすべきものでもないと思うのです。
穏やかな心で、私のエゴは手放し、事実を提供し、気づきを促すことに取り組みました。
被災者といわれる方の中には、整体すら受けたくもないという方もいますし、表面上元気にニコニコしていたり、オープンな状態で施術を受けてくださる方もいます。
人に会い、その人の体や、表情や、心を表す言動から、提供するものは変えています。普段1:1の仕事なので、多数に向ける言葉というのは難しいですなぁ、と感じました。